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掛け払い・請求書払いを卸売ECでどう扱うか|月末締め・振込・インボイス

請求書、カレンダーと書類トレーのイメージ

一般のお客さま向けのネットショップは、注文と同時にカードで支払ってもらうのが基本です。卸の取引はそうはいきません。「月末締め・翌月末払い」の掛け払いで、請求書を受け取ってから銀行振込で支払う、という形が今も主流です。

卸の注文をWebで受けるとき、この支払いの形をどう扱うかで、社内の手間が大きく変わります。この記事では、掛け払い・請求書払いをECで扱うときに決めることを、Shopifyを例に説明します(2026年10月28日に公式ヘルプで確認)。

Shopifyでできる支払いの条件

Shopifyの卸売機能では、取引先ごとに支払いの条件(支払期限)を決められます。どのプランでも使えます。

支払いの条件 中身
条件なし 注文と同時に支払う(一般のネットショップと同じ)
注文日から○日 注文日から7・15・30・45・60・90日以内に支払う
出荷後 注文の商品がすべて出荷されたあとに支払う
日付を指定 特定の日を期限にする(下書き注文のときだけ)

この条件は、取引先ごと・取引先の拠点ごと・注文ごとに設定できます。新しい取引先は「条件なし(先払い)」、付き合いの長い取引先は「注文日から30日」のように分けられます。

月末締めとの違い

ここが日本の卸でいちばんずれるところです。Shopifyの支払期限は、注文ごとに「注文日から30日」のように付く形です。日本でよくある「月末締め・翌月末払い」のように、1か月分の注文をまとめて1枚の請求書にし、決まった日に支払ってもらう形は、標準の機能にはありません。

たとえば、10月3日の注文と10月25日の注文に「注文日から30日」を付けると、支払期限は11月2日と11月24日になり、ばらばらです。月末締めにそろえたいなら、次のどちらかの運用にします。

  • Shopifyは注文を受ける場所と割り切り、請求は会計ソフトでまとめる:月末に、その月の注文を会計ソフトに取り込み、月まとめの請求書を出す。入金はそちらで管理する
  • 注文ごとの期限で運用する:取引先に事情を説明して、注文ごとの支払いに切り替えてもらう

実際には、前者の「請求は会計ソフト」に寄せるほうが、取引先の負担が変わらないので受け入れられやすいと思います。

ECで受注し、会計ソフトで月まとめの請求書を作成。銀行振込後に担当者が入金を確認・記録する流れ。
月末締めで運用する場合の一例。データ連携や入金確認の方法は別途設計します。

銀行振込の入金確認

支払期限を付けた注文は、期限が来ても自動では代金が回収されません。 取引先が自分のアカウントから支払うか、銀行振込で受け取った入金を、管理画面で注文に記録します。期限を過ぎた注文は「期限切れ」と表示され、どのプランでも支払いのリマインダーを送れます。

振込が中心の場合は、次を決めておきます。

  • 誰が、いつ(毎日・週1回など)、振込を確認するか
  • 振込名義と取引先・注文をどう突き合わせるか
  • 入金の記録を、Shopifyと会計ソフトのどちらでつけるか(両方につけると二重管理になる)
  • 期限を過ぎた取引先に、誰がどう連絡するか

なお、銀行振込のような手動の支払い方法では、カードの決済手数料はかかりません。そのぶん、確認と記録の手間がかかります。

インボイス制度の請求書

2023年10月からインボイス制度が始まっています。取引先が仕入れの消費税を差し引くためには、売り手が出す請求書(適格請求書)に、決められた事項が書かれている必要があります。国税庁が示している記載事項は次のとおりです。

  1. 売り手の名称と登録番号
  2. 取引の年月日
  3. 取引の内容(軽減税率の対象品目であればその旨)
  4. 税率ごとに分けた対価の合計額と、適用税率
  5. 税率ごとの消費税額
  6. 買い手の名称

卸の取引先のほとんどは事業者なので、この形の請求書を求められます。ECで注文を受けるようにしても、請求書はこの記載事項を満たす形で出す必要があります。

すでに会計ソフトでインボイスに対応した請求書を出しているなら、そのやり方を変えずに、注文データだけをECから渡すのが確実です。ECの仕組みから請求書を出す場合は、上の6つが書かれるかを必ず確かめてください。

新しい取引先の扱い

掛け払いは、実質的に取引先にお金を貸している状態です。Webで新しい取引先を受け付けるようになると、よく知らない相手から注文が入ることもあります。

Shopifyの卸売機能には、取引先がストア上の申請フォームから卸の利用を申し込む仕組みがあります。申し込みを受けたら、すぐに掛け払いを認めるのではなく、次のような段階を踏むのがおすすめです。

  1. 申し込みの内容(会社名・所在地・業種・取引の目的)を確認する
  2. 最初の数回は「条件なし(先払い)」で取引する
  3. 取引の実績ができてから、掛け払いの条件を付ける

最初から掛け払いにしたい場合は、BtoB向けの後払い(掛け払い)サービスを使い、与信と請求・回収を任せる方法もあります。Shopifyと連携できるかどうか、手数料はいくらかは、サービスごとに確かめてください。

前受金・分割払いが必要な場合

別注品や大口の注文で、「注文時に半額、納品時に残り」のような前受金を取りたい場合、Shopifyでそれを標準の機能で扱えるのは Shopify Plus だけです。Plusにしない場合は、前受金の分を別の注文や請求書で受けるなど、運用で対応します。

プランごとの違いは、別の記事にまとめています。→ Shopifyで卸売(BtoB)の注文を受ける方法

まとめ

  • Shopifyでは、取引先ごとに支払いの条件(先払い・注文日から○日・出荷後)を決められる
  • 支払期限は注文ごとに付く。月末締めでまとめたいなら、請求は会計ソフトに寄せるのが受け入れられやすい
  • 振込の入金は自動では消し込まれない。確認の担当・頻度・記録する場所を決めておく
  • 請求書はインボイス制度の記載事項を満たす形で出す。今の会計ソフトのやり方を活かすのが確実
  • 新しい取引先は先払いから始め、実績ができてから掛け払いにする
  • 前受金・分割払いを標準機能で扱えるのは Shopify Plus だけ

支払いの形は取引先との長年の約束なので、Webに移すときに無理に変えないほうがうまくいきます。今の請求と入金確認のやり方を教えていただければ、ECで注文を受けるようにしても取引先の負担が変わらない形を一緒に考えます。費用の全体は、こちらの記事にまとめています。→ 卸売(BtoB)ECにかかるお金を先に全部見せます

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FAXや電話の注文を、どこまでWebに移せるか。

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