卸の注文をWebで受ける仕組み(BtoB EC)をつくる方法は、いくつもあります。調べ始めると、ネットショップ作成サービス、BtoB専用のサービス、受発注システム、独自開発と、選択肢が多くて迷うと思います。
この記事では、作り方を大きく3通りに分けて、それぞれがどんな会社に向いているかを整理します。STORE LABOはShopifyでの制作を中心にしていますが、Shopifyが合わない場合もあるので、そのことも含めて書きます。
目次
3通りの作り方
| 1. ネットショップ作成サービスに卸の機能を足す | 2. BtoB専用のサービスを使う | 3. パッケージや独自開発でつくる | |
|---|---|---|---|
| 例 | Shopify など | BtoB向けの受発注サービス(Bカートなど) | EC用のパッケージ(EC-CUBEなど)を改造、またはゼロから開発 |
| 最初の費用 | 小〜中 | 小〜中 | 中〜大 |
| 毎月の費用 | サービスの月額+アプリ代 | サービスの月額 | サーバー代・保守費 |
| 始めるまでの期間 | 短め | 短め | 長め |
| 一般向けの販売との両立 | しやすい | サービスによる | 設計しだい |
| 複雑な取引条件への対応 | 標準機能+アプリの範囲で | BtoBの商習慣に合わせた機能が多い | 何でもできるが、その分お金と時間がかかる |
| 今のシステムとの連携 | アプリや個別の開発で | サービスによる | 自由に設計できる |
それぞれ順に説明します。
ネットショップ作成サービスに卸の機能を足す
Shopifyのようなネットショップ作成サービスに、卸売の機能を加えて使う方法です。Shopifyは、Basicプラン(月4,850円〜)以上で卸売の機能が標準で使えます。取引先ごとの価格、ケース単位の注文、支払期限、発注番号、過去の注文からの再注文などに対応しています。
向いているのは、次のような場合です。
- すでに一般のお客さま向けにShopifyで販売している
- 一般向けの販売と卸売を、同じ商品・同じ在庫で扱いたい
- 卸の価格の決め方が、3段階程度の掛け率で収まる
- 取引先は数十社程度で、まず小さく始めたい
- 見た目(ブランドの印象)も大事にしたい
合わないことがあるのは、次のような場合です。
- 取引先ごとの個別単価がとても多い(標準では価格表が3つまで。それ以上はShopify Plus(月368,000円〜)かアプリが要る)
- 月末締めの請求書や、日本独自の帳票を仕組みの中で完結させたい
- 基幹システムと細かく連携する必要がある
Shopifyで卸の注文を受ける方法は、別の記事で詳しく書いています。→ Shopifyで卸売(BtoB)の注文を受ける方法
BtoB専用のサービスを使う
最初から企業間の取引のためにつくられたサービスを使う方法です。卸の受発注に特化したクラウドサービスがいくつかあります。
向いているのは、次のような場合です。
- 一般のお客さま向けの販売はしていない、またはする予定がない
- 取引先ごとの価格や、掛け払い・請求書の発行など、日本の卸の商習慣に合わせた機能を最初から使いたい
- 見た目の自由さより、受発注の業務をきちんと回すことを優先したい
気をつけたいのは、次の点です。
- 一般向けのネットショップと一緒に運用したい場合、別々の仕組みになることがある
- 月額や初期費用、取引先の数や注文数による料金の変わり方は、サービスごとに大きく違う
- デザインの自由度は、ネットショップ作成サービスより低いことが多い
BtoB専用のサービスは、機能・料金ともに各社の公式ページで最新の情報を確かめてください。
パッケージや独自開発でつくる
ECのパッケージ(自社のサーバーに入れて使うソフト)を改造したり、ゼロから開発したりする方法です。
向いているのは、次のような場合です。
- 基幹システム(在庫・生産・会計など)と細かく連携させる必要がある
- 取引の条件が特殊で、既製のサービスでは再現できない
- 長く使い続ける前提で、仕組みを自社の資産として持ちたい
気をつけたいのは、次の点です。
- 最初の費用と期間が大きくなりやすい
- サーバーの管理、セキュリティの更新、不具合への対応など、公開後の保守が欠かせない
- つくった会社に頼りきりになり、あとから乗り換えにくくなることがある
どれを選ぶか:4つの質問
迷ったら、次の4つの質問に答えてみてください。
- 一般のお客さま向けにも、同じ商品をネットで売っていますか(売る予定ですか)。 はい → 1のネットショップ作成サービスが有力
- 卸の価格は、3段階程度の掛け率にまとめられますか。 はい → 1で標準機能の範囲に収まりやすい。いいえ → 1ならPlusかアプリ、または2
- 基幹システムと、注文や在庫を自動でやりとりする必要がありますか。 今すぐ必要 → 3、または連携に強い2。あとからでよい → 1や2で始めて、注文が増えてから連携を考える
- 最初にかけられる費用と、毎月かけられる費用はどのくらいですか。 費用の目安は、こちらの記事に全部並べています。→ 卸売(BtoB)ECにかかるお金を先に全部見せます
どの方法でも先にやること
どの作り方を選ぶとしても、先に今の取引の条件を表にまとめることが必要です。取引先ごとの掛け率、個別の単価、最低ロット、支払条件、送料のルールです。この表があれば、どの方法なら標準の機能で足りるか、どこにお金がかかるかが、すぐに判断できます。
価格の整理のしかたは、こちらにまとめています。→ 取引先ごとに価格を変えるECサイトの作り方
まとめ
- BtoB ECの作り方は、ネットショップ作成サービスに卸の機能を足す、BtoB専用のサービスを使う、パッケージや独自開発でつくる、の3通り
- 一般向けの販売もしていて、価格の決め方がシンプルなら、Shopifyのようなネットショップ作成サービスが始めやすい
- 一般向けの販売をせず、日本の卸の商習慣に合わせた機能を最初から使いたいなら、BtoB専用のサービスも候補
- 基幹システムとの細かい連携や特殊な条件があるなら、パッケージや独自開発
- どの方法でも、先に取引の条件を表にまとめる
STORE LABOはShopifyでの制作を中心にしていますが、取引の条件を伺ったうえで、Shopifyが合わないと判断した場合はそのままお伝えします。今の注文の届き方と取引の条件を教えていただければ、どの作り方が合いそうかをお返事します。
FAXや電話の注文を、どこまでWebに移せるか。
取引先の数と価格表の種類を教えていただければ、Shopifyのどのプランで足りるか、標準機能で足りない部分はどこかをお返事します。制作費も、Shopifyの利用料やアプリ代といった実費も、先にすべてお見せします。営業時間内のご相談には1時間以内に初回返信します。
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