卸の注文をWebで受けたいと考えたとき、最初に気になるのはお金だと思います。ところが、制作会社のページを見ても「お見積もり」としか書いていなかったり、制作費は書いてあっても毎月の費用が書いていなかったりします。
この記事では、卸売のECサイトにかかるお金を、最初にかかるもの・毎月かかるもの・売れるたびにかかるものの3つに分けて、全部並べます。Shopifyで始める場合の金額は、2026年10月28日にShopifyの公式ページで確認したものです。
目次
かかるお金の全体像
| いつかかるか | 何のお金か | 目安 |
|---|---|---|
| 最初に1回 | 制作費(仕組みづくり・設定・商品登録) | 制作を頼む場合。下の「制作費」を参照 |
| 毎月 | Shopifyの利用料 | 月4,850円〜(プランによる) |
| 毎月 | アプリの利用料 | 使う場合のみ。アプリごとに違う |
| 毎月 | 保守・運用の費用 | 頼む場合のみ。内容による |
| 売れるたび | 決済手数料 | カード払いなら注文額の3.25〜3.9%前後。振込ならカードの手数料はなし |
それぞれ順に説明します。
最初にかかるお金:制作費
制作費は、何をつくるかで大きく変わります。STORE LABOでは、卸売のECを次の料金で受けています(いずれも税込)。
| 内容 | 料金 | 含まれるもの |
|---|---|---|
| 卸機能の追加 | 330,000円〜 | 今あるShopifyストアに、取引先のログイン・卸価格の基本設定・注文単位や数量ルールの設定・注文テスト・操作案内を足す |
| 卸専用サイトの制作 | 660,000円〜 | 卸の注文窓口を新しくつくる。既存テーマを使ったデザイン調整、決済・配送の基本設定、商品登録20商品まで(画像・原稿はご用意いただく) |
| 個別のつくり込み | お見積もり | 取引先ごとの複雑な価格設定、今のシステムとの連携など |
金額が上がりやすいのは、次のような場合です。
- 商品が多い(21商品目からの登録は別途)
- 取引先のデータをまとめて移す必要がある
- 取引先ごとに個別の単価がたくさんある
- 在庫・受注・会計のシステムとつなぐ
- テーマを大きくつくり直す
逆に、「価格表は2〜3種類」「商品はまず主力だけ」「取引先は数社から」と小さく始めれば、最初の費用は抑えられます。
毎月かかるお金①:Shopifyの利用料
Shopifyで卸の注文を受けるには、Basic以上のプランが必要です。いちばん安い Starter と、店舗レジ向けの Retail では卸売の機能が使えません。
| プラン | 月払い | 年払い(月換算) | 卸売機能の主な違い |
|---|---|---|---|
| Basic | 4,850円 | 3,650円 | 価格表は3つまで |
| Grow | 13,500円 | 10,100円 | 価格表は3つまで |
| Advanced | 58,500円 | 44,000円 | 価格表は3つまで。卸の取引先にだけ違う画面を見せられる |
| Shopify Plus | 368,000円〜 | — | 価格表の数に制限なし。取引先ごとに価格表を割り当てられる。前受金・分割払い |
※ 2026年10月28日時点、Shopify公式の料金ページの表示。
ほとんどの卸は Basic か Grow で始められます。Shopify Plus は年間で400万円を超えるので、本当に必要かは慎重に判断します。Plusが必要になるのは、取引先ごとの個別単価が多い、注文時に前受金をもらう、といった場合です。プランの選び方は、別の記事で詳しく書いています。→ Shopifyで卸売(BtoB)の注文を受ける方法
毎月かかるお金②:アプリの利用料
Shopifyの標準機能で足りない部分は、アプリで補うことがあります。たとえば、Plusにしないで取引先ごとの価格を細かく分けたい場合や、請求書の発行を楽にしたい場合です。
アプリは月額制のものが多く、金額はアプリごとに違います。必要なアプリと金額は、見積もりの段階で一緒に出してもらうようにしてください。あとから「このアプリが必要でした」となると、毎月の費用が想定より増えます。
毎月かかるお金③:保守・運用の費用
公開したあとに、商品の追加、価格の改定、不具合への対応、Shopifyの仕様変更への対応などが発生します。自社でやるか、頼むかを決めておきます。
頼む場合の費用は、どこまで任せるかで変わります。STORE LABOでは、保守・運用の内容を決めたうえで、制作費と一緒に見積もりに入れてお出しします。
売れるたびにかかるお金:決済手数料
取引先がカードで支払う場合、Shopifyペイメントの決済手数料がかかります。
| 支払い方法 | Basic | Grow | Advanced | Plus |
|---|---|---|---|---|
| 一般的なカード(Visa・Mastercard・JCBなど) | 3.55% | 3.4% | 3.25% | 2.9% |
| American Express・海外発行カード | 3.9% | 3.85% | 3.8% | 3.75% |
| Shopifyペイメント以外の決済サービスを使う場合(Shopifyの取引手数料) | 2% | 1% | 0.6% | 0.2% |
※ 2026年10月28日時点、Shopify公式の料金ページの表示。外部の決済サービスを使う場合は、その会社の手数料も別にかかる。
卸の取引は金額が大きいので、手数料も大きくなります。たとえば、卸の売上が月100万円で、すべてBasicプランのカード払いなら、手数料は月35,500円です。
卸では、銀行振込(掛け払い)を中心にすれば、カードの決済手数料はかかりません。 その代わり、振込を確認して管理画面に記録する手間がかかります。どちらにするかは、取引先の支払い方と、社内の手間とのバランスで決めます。
例で計算してみる
よくある3つの形で、お金のかかり方を並べてみます。実際の金額は、商品数や価格の決め方で変わります。
| 例1:今のストアに卸を足す | 例2:卸専用の窓口をつくる | 例3:取引先ごとの単価が多い | |
|---|---|---|---|
| 状態 | 一般向けにShopifyで販売中。取引先30社、価格表2種類、支払いは振込 | 一般向けの販売はしていない。取引先50社、商品20点、価格表3種類 | 取引先ごとに個別の単価表がある。別注で前受金をもらう |
| 制作費 | 330,000円〜 | 660,000円〜 | お見積もり |
| 月額 | Basic 月4,850円(今のまま) | Grow 月13,500円 | Plus 月368,000円〜、またはアプリとの組み合わせ |
| アプリ | なしで始められる見込み | なしで始められる見込み | 必要になる見込み |
| 手数料 | 振込中心なら、カードの手数料はなし | 振込中心なら、カードの手数料はなし | 支払い方法による |
例3のように個別の単価が多い場合でも、価格の決め方を3段階程度にまとめ直せば、Plusを使わずに済むことがあります。費用の差が大きいので、まず価格の整理から相談するのがおすすめです。
Shopify以外の作り方(BtoB専用のサービス、独自開発など)との比べ方は、こちらにまとめています。→ BtoB ECの作り方は3通り
見積もりで先に確かめること
卸売ECの見積もりを取るときは、次の点を確かめてください。どれか一つでも答えがあいまいなら、あとで費用が増える可能性があります。
- 制作費に、何が含まれていて、何が含まれていないか(商品登録の数、取引先データの移行、操作の説明)
- Shopifyのどのプランを前提にしているか、その理由
- 必要なアプリの名前と月額
- 公開後の保守・運用の費用と、頼める範囲
- 価格の改定や商品の追加を、自社でできるようにしてもらえるか
- 今のシステム(在庫・受注・会計)とつなぐ場合、その費用が入っているか
STORE LABOでは、制作費だけでなく、Shopifyの利用料、アプリ代、決済手数料といった実費も、ご相談の段階で先に全部お見せしています。
まとめ
- 卸売ECのお金は「最初に1回」「毎月」「売れるたび」の3つに分けて考える
- 制作費の目安は、今のShopifyストアに卸を足すなら330,000円〜、卸専用の窓口を新しくつくるなら660,000円〜(STORE LABOの場合・税込)
- Shopifyの利用料は月4,850円〜。ほとんどの卸は Basic か Grow で始められる。Plusは月368,000円〜なので慎重に
- 決済手数料はカード払いなら3%台。振込中心ならカードの手数料はかからない
- 見積もりでは、含まれないもの、プランの理由、アプリ代、保守の費用を必ず確かめる
「うちの場合はいくらになるか」は、取引先の数、商品の数、価格の決め方、支払い方法がわかれば、おおよその金額を出せます。今の価格表や注文の流れを教えていただければ、最初にかかるお金と毎月かかるお金を、分けてお見せします。
FAXや電話の注文を、どこまでWebに移せるか。
取引先の数と価格表の種類を教えていただければ、Shopifyのどのプランで足りるか、標準機能で足りない部分はどこかをお返事します。制作費も、Shopifyの利用料やアプリ代といった実費も、先にすべてお見せします。営業時間内のご相談には1時間以内に初回返信します。
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