スキンケア業界は年々市場規模が拡大しており、特にオンラインでの販売チャネルの強化が各ブランドにとって重要な戦略となっています。実際に、個人で立ち上げたスキンケアブランドや中小企業のOEM商品がSNSをきっかけにヒットする例も増えてきました。ですが、優れた商品を開発したとしても「通販サイトの作り方が分からない」「アクセスはあるけど売れない」「同じような商品が多くて埋もれてしまう」といった課題を抱える方も多いのが現状です。
そこでこの記事では、スキンケアの通販サイト制作を検討している方に向けて、実際に成果につながるECサイトを作るために押さえるべき7つのポイントを、実例や戦略とともに解説します。これから通販サイトを立ち上げたい方、今のサイトを改善したい方、ぜひ参考にしてください。
目次
1. ターゲットに合わせたサイト設計
スキンケア商品は「誰のための商品か」によって訴求方法やサイトのデザイン、使用する言葉が大きく変わってきます。ここを曖昧にしたままサイトを作ると、どんなに機能的に優れていても「なんとなく合わない」と感じられ、離脱につながります。だからこそ、最初にしっかりとターゲット像を明確にすることが重要です。
たとえば、20代女性をターゲットにしたブランドであれば、可愛らしさやトレンド感、ポップなカラーを意識したデザインが好まれます。InstagramやTikTokとの相性も良いレイアウトにすることで、SNSとの連動による集客も狙えます。加えて、「友達に勧めたくなる」「シェアしたくなる」ようなユーザー体験を意識した作りが効果的です。
一方で、30代〜40代の女性や男性をメインターゲットにしている場合、落ち着きや高級感、成分の信頼性を前面に出す設計が必要です。白・グレー・ネイビーなどの色調を用いたクリーンな印象のデザインに加えて、成分の裏付けや研究データ、エビデンスのある使用事例などを掲載することで信頼感を高められます。
また、敏感肌やアトピー肌向け、オーガニック志向といった専門性の高い商品であれば、使用成分の安全性や産地、認証マークの有無など、詳細な情報をしっかり伝える設計にしましょう。購入者が「これは自分の肌でも安心して使えそう」と納得できるような構成を心がけることが大切です。
2. 商品写真のクオリティが売上を左右する
ECサイトでは、ユーザーは実際の商品に触れることができません。そのため、商品写真の質が購買行動に与える影響は非常に大きいです。スキンケア商品は特に「清潔感」「高級感」「ナチュラルさ」といったブランドイメージを視覚的に伝える必要があり、撮影の段階からその世界観をどう表現するかが重要になります。
商品写真はただ「綺麗に撮る」だけではなく、「商品が誰に、どのようなシーンで使われるか」を想像させる力が求められます。白背景の物撮りは必要最低限ですが、それだけで終わってしまうと他のサイトと差がつきません。プロのカメラマンに依頼し、照明・構図・質感の演出にこだわった撮影を行いましょう。
たとえば以下のような写真バリエーションを用意すると効果的です。
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商品単体の正面・背面・横からのショット
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手に取った状態や、実際に肌に塗っているシーン
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自然光を活用した「ライフスタイル感」のあるカット
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成分イメージを視覚的に伝える演出写真(植物、フルーツ、クリスタルなど)
さらに、近年では動画での訴求も非常に効果的です。商品のテクスチャー(ジェル、乳液、クリームなど)がどんな感触か、手に伸ばした時の質感はどうか、といった情報を視覚と音で伝えることで、ユーザーの購入意欲は格段に高まります。SNS用のショート動画や、YouTube・Instagram向けの長尺レビュー動画も活用していきましょう。
3. 商品説明は「成分+効果+使い方」をセットで
スキンケア商品を購入する際、ユーザーは非常に慎重になります。「自分の肌に合うか」「効果があるのか」「どうやって使うのか」が明確にわからないと、不安になり、購入を躊躇します。したがって、商品説明にはそのすべてを丁寧に記載する必要があります。
まず、成分説明は単なる「ヒアルロン酸配合」では不十分です。「分子量の異なる3種類のヒアルロン酸を配合し、肌の表面から角質層までしっかり浸透。24時間うるおいをキープします」など、専門性と効果の両方を伝える言葉選びを意識しましょう。
また、「美白」「エイジングケア」「毛穴対策」など、どのような悩みにアプローチするのかを明確にし、それがどの成分によって実現されているのかを説明することで、ユーザーの納得感を高めることができます。
さらに、使用方法についても「朝晩の洗顔後、適量を手に取り…」といった形式的な文章だけではなく、具体的なシチュエーションや使用量の目安、注意点(例:肌荒れ時の使用は控えるなど)を記載することで、購入後の満足度や継続率にもつながります。
たとえば「化粧水の後に使用するとより効果的」「冷蔵庫で冷やして使うと毛穴引き締めに最適」など、ちょっとした応用テクニックも加えると、信頼と好感度がアップします。
4. お客様の声(レビュー)の活用
ユーザーは「他の人が実際に使ってどうだったか」を非常に気にします。スキンケアは肌に直接使う商品であり、個人差が出やすいからこそ、第三者の使用感が大きな判断材料になります。そのため、レビュー(お客様の声)は通販サイトに欠かせない要素です。
とはいえ、最初の段階でレビューが集まらないこともあります。そこでおすすめなのが、モニター募集やお試しサンプルの配布キャンペーンです。初回限定セットにレビュー特典を付ける、SNSでレビュー投稿してもらう代わりに割引クーポンを配布するなど、ユーザーに「書きたくなる」「シェアしたくなる」きっかけを作ることが大切です。
レビュー内容は、「使用期間」「年齢・性別」「肌質(乾燥肌・混合肌・敏感肌など)」「実感した効果」「香りや使い心地」「リピートの有無」などを記載してもらえると、初めての購入者にとって非常に参考になります。
さらに、レビューはサイト内にただ掲載するだけでなく、「このレビューが役に立った」といった評価機能をつける、「最新レビュー」や「星5つのレビューをピックアップ」するなど、動的に活用することで信頼感とリアル感を演出できます。レビューの充実度がそのままブランドの信頼度になるといっても過言ではありません。
5. 購入までの導線を最適化する
どれだけ魅力的な商品を揃えていても、購入までの導線がわかりにくかったり、途中で離脱されるような設計になっていたりすると、コンバージョンにはつながりません。特にスマホユーザーの割合が多いスキンケア市場では、ユーザーが直感的に動けるシンプルな導線設計が必要不可欠です。
まず意識すべきは「商品を見つけるまでの導線」と「購入を決断してから完了までのスムーズさ」です。前者はカテゴリ別や肌悩み別、使用シーン別などで商品を探せる仕組みを整えることが重要です。たとえば「乾燥肌向け」「エイジングケア」「朝用スキンケア」など、ニーズに沿った絞り込みができる設計にすることで、ユーザーは迷わず商品を見つけられるようになります。
後者の「購入フロー」では、以下のようなポイントを徹底すると離脱率が下がります。
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「カートに入れる」ボタンを常に見える位置に配置(特にスマホ表示で)
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決済ステップは3ステップ以内におさめる(カート→情報入力→確認・完了)
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クレジットカード・PayPay・Amazon Payなど複数の決済方法を用意
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商品ページで送料やお届け日数を明示する
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ログインなしでも購入可能(または簡単なゲスト購入を用意)
さらに、特に初回購入者の不安を解消するためには、「返品保証」「お試しセット」「定期購入のスキップ・停止可能」といった柔軟なサービス設計も検討しましょう。
購入完了後の体験(いわゆるアフターユーザー体験)も重要です。購入完了メールの内容を工夫して、次回購入の割引コードや、商品の使い方を解説するURLなどを添えることで、リピートにつながる顧客体験を構築できます。
6. リピーター獲得のための仕組み作り
スキンケア商品は基本的に「消耗品」であり、一定期間ごとに買い足しが発生する商品ジャンルです。したがって、一度購入してもらったお客様をいかにリピーターとして育成していくかが、売上の安定化に直結します。
まずは「定期購入サービス」の導入を検討しましょう。ただし、定期購入と聞いてユーザーが不安を感じるケースもあるため、以下のような柔軟性のある仕組みが好まれます。
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定期便のスキップ・解約がいつでも可能であることを明示
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「初回○○%オフ」「送料無料」「専用ノベルティ」などの特典付き
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定期購入者限定のコラムや動画配信など、付加価値コンテンツの提供
また、LINE公式アカウントとの連携も有効な施策です。購入後のリマインド通知や、キャンペーン情報の配信、使い方動画の共有などを通して、ユーザーとの関係性を築いていけます。LINEから直接購入ページへリンクさせれば、再訪率・再購入率の向上にもつながります。
ポイント制度やランクアップ制度の導入もリピートにつながる施策の一つです。たとえば「購入ごとにポイント付与」「レビュー投稿でポイント追加」「3回以上の購入でゴールド会員」など、ユーザーが「続けることにメリットを感じる」仕組みを作りましょう。
さらに、誕生日クーポン、前回購入から30日後のフォローアップメール、使用中商品の残量を想定したリマインドなど、「次に買いたくなるタイミング」を先回りして設計することで、自然な形でのリピートが実現できます。
7. 検索流入を増やすSEO対策も忘れずに
いくら魅力的な通販サイトを作っても、「誰にも見られていない」状態では売上にはつながりません。SNSや広告以外にも、中長期的な集客を安定させるには、Google検索からの流入、つまりSEO(検索エンジン最適化)が必要不可欠です。
まず最低限取り組むべきは、「カテゴリページ」や「商品ページ」のSEOです。たとえば「化粧水」「敏感肌」「ニキビケア」など、ユーザーが検索しそうなキーワードを商品ページのタイトル・見出し・本文に自然に含めることで、Googleにそのページの内容が正しく伝わりやすくなります。
さらに効果的なのが、オウンドメディア(ブログ)によるコンテンツマーケティングです。以下のような記事コンテンツを定期的に発信していくことで、検索流入を増やし、商品の露出も自然と増えていきます。
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肌悩み別のスキンケア方法(例:「乾燥肌におすすめのスキンケア3選」)
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成分解説記事(例:「セラミドの種類とそれぞれの特徴」)
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季節ごとのケア方法(例:「冬に必要な保湿対策とアイテムの選び方」)
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使用者インタビューや開発者ストーリーなど、共感を得る読み物記事
これらの記事内に自社商品へのリンクを自然に配置することで、「役立つ情報を見ていたら気づけば商品ページにたどり着いていた」という流れを作ることができます。SEOを意識したコンテンツ設計は時間こそかかりますが、長期的に安定したアクセスと売上を生む「資産」となります。
まとめ
スキンケア商品の通販サイト制作では、単なる「きれいなデザイン」や「見やすさ」だけでは足りません。ターゲットの深掘りから始まり、商品の魅力を最大限に引き出す設計、購入までの導線、リピーターの育成、そして検索からの自然流入まで、すべてが連動して初めて「売れるECサイト」が完成します。
これからスキンケア通販サイトを立ち上げたい方、今あるサイトの成果をもっと伸ばしたい方は、今回ご紹介した7つのポイントをぜひ見直してみてください。
「商品には自信があるのに、なぜか売れない」と感じている方こそ、サイトの構造や情報設計を変えることで、大きな成果につながる可能性があります。
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