「そろそろ自社のホームページをちゃんと整えたいな」
そんなふうに感じたとき、多くの経営者さんは、まずデザインや料金に目が行きがちです。

もちろん見た目や費用も大切ですが、ホームページ制作の本質は、
自社の目的をウェブ上で叶えるための設計と仕組みづくりにあります。

このページでは、

  • ホームページ制作とはそもそも何なのか

  • 中小企業がホームページを持つ代表的な目的

  • 制作前に決めておきたい準備事項

  • 一般的な制作の流れ

  • よくある失敗とその予防策

といったポイントを、できるだけ噛み砕いてお伝えしていきます。

ホームページ制作とは?一言でいうと「目的から逆算したサイトづくり」

ホームページ制作を一言で説明すると、

目的を決め、その目的を達成するための情報とデザインを組み立て、
実際に“使えるサイト”として公開し、改善していく一連のプロセス

と言えます。

ただページを並べるのではなく、「誰に」「何を」「どの順番で」見せれば、問い合わせや採用、売上といった成果につながるのか。そこまで逆算して、構成やデザイン、機能を決めていく作業です。

中小企業がホームページを作る主な理由

信頼感の土台をつくる

会社名で検索しても何も出てこない。
あるいは、10年前のデザインのまま放置されている――。

初めて会社を知った人から見ると、それだけで少し不安に感じてしまいます。
きちんと整ったホームページがあるだけで、「ちゃんとした会社なんだな」という印象を持ってもらいやすくなり、名刺以上の役割を果たしてくれます。

新規の問い合わせや売上につなげる

もうひとつ大きいのが、問い合わせや売上につなげる役割です。
検索から訪れた人がサービスページを読み、そのまま見積もり依頼や問い合わせフォームに進んでくれれば、営業マンの代わりに24時間働く窓口になります。ブログ記事から資料請求につなげる、といった使い方もできます。

採用活動をサポートする

最近増えているのが、採用を目的にしたホームページ制作です。
どんな人が働いているのか、会社の雰囲気はどうか、どんな想いで事業をしているのか。求職者は求人媒体だけでなく、会社のホームページも必ずチェックしています。採用ページが充実しているかどうかで、応募数が変わることも珍しくありません。

既存顧客のサポートと業務の効率化

ホームページは、新しいお客様を連れてくるだけのものではありません。
よくある質問やマニュアルを掲載して問い合わせ対応の手間を減らしたり、メンテナンス情報や重要なお知らせをサイトで一括告知したり、資料ダウンロードや予約フォームでやり取りをスムーズにしたり。既存顧客をしっかりサポートするためのツールとしても役立ちます。

制作を始める前に決めておきたいこと

制作を始める前に決めておきたいこと

ホームページ制作がうまくいくかどうかは、「作り始める前」にかなり決まってしまいます。ここで紹介するポイントを、ざっくりでも整理してから制作に入ると失敗しにくくなります。

目的(ゴール)を決める

まずは「このホームページが、どんな状態になれば成功と言えるのか」を言葉にしてみます。

問い合わせを月に何件くらい増やしたいのか。
採用応募をどれくらい獲得したいのか。
既存顧客とのやり取りをどの程度スムーズにしたいのか。

全部を一度に狙うのではなく、特に重視したいゴールを1〜2個に絞っておくと、その後の判断がぐっと楽になります。

誰に見てほしいのか(ターゲット)を具体的にする

次に、「誰に読んでもらいたいか」を具体的に描いていきます。
年齢や性別だけでなく、どんな仕事をしている人か、どんな悩みを抱えていて、どんな情報があったら助かるのか。そこまでイメージできると、使う言葉や載せる内容も自然と変わります。

例えば「製造業の40代の部長で、新しい外注先を探している人」と設定するだけでも、トップページの見出しや導入文の書き方は大きく変わってくるはずです。

自社の強みや「選ばれる理由」を言語化する

他社と比べて喜ばれている点はどこか。
長く選ばれ続けている理由は何か。
お客様の声で、よく出てくる言葉はどんなものか。

こうしたことを書き出していくと、トップページのキャッチコピーや「選ばれる理由」コンテンツの種になります。自分たちでは「当たり前」と思っていることが、実は一番の魅力だったりするので、第三者の意見も交えながら整理してみると良いでしょう。

必要なページや機能を洗い出す

会社案内、事業内容、サービス紹介、料金、制作事例、お客様の声、お知らせ・ブログ、採用情報、お問い合わせフォーム…。
まずは、「最低限ここまでは欲しい」と思うページを書き出します。将来的にEC機能や会員制ページを追加したくなる可能性があるなら、その構想も早めに共有しておくと、後から拡張しやすい設計にしやすくなります。

予算とスケジュールの目安を決める

いつ頃までに公開したいのか。
写真撮影や原稿作成に、自社のメンバーがどれくらい関われるのか。
全体として、どの程度の予算なら現実的なのか。

このあたりがざっくりでも決まっていると、制作会社との打ち合わせがとてもスムーズになります。「やりたいこと」と「できること」のバランスを一緒に整理しやすくなるからです。

ホームページ制作の一般的な流れ

ホームページ制作の一般的な流れ

ここからは、制作会社やフリーランスに依頼したときの、一般的な流れをイメージしやすいようにまとめておきます。

ヒアリング・企画

最初のステップは、目的やターゲット、必要なページ、予算やスケジュールについてのヒアリングです。
この段階で「どのようなホームページにしていくか」を一緒に決めていきます。競合になりそうな他社のサイトをいくつか見ながら、「この雰囲気は好き」「これは自社らしくない」といった感覚も共有していきます。

サイト構成・ワイヤーフレームの作成

次に、ページの一覧(サイトマップ)を作り、それぞれのページにどのような情報を載せるかを決めていきます。
どのページからどこにリンクを貼るのか、問い合わせボタンをどこに置くのか、といった導線もこの段階で整理されます。

その内容をもとに、ワイヤーフレームと呼ばれる簡単なレイアウト図を作成します。白黒のシンプルな図ですが、「ここに写真」「ここに見出し」「ここにボタン」といった配置がひと目で分かるので、出来上がりのイメージをすり合わせやすくなります。

デザイン制作

サイト構成が固まったら、ようやくデザインの段階です。
まずはトップページのPC版とスマホ版のデザイン案を作成し、色やフォント、写真のテイストなどを確認していきます。その後、下層ページの共通レイアウトも合わせて整えていきます。

中小企業のホームページでは、見た目の派手さよりも、「情報が読みやすいこと」「問い合わせや資料請求ボタンが迷わず押せること」の方が成果につながりやすい場面が多いです。

コーディング・CMS構築

デザインが決まったら、HTMLやCSS、必要に応じてJavaScriptを使って、ブラウザで動く形にしていきます。同時に、WordPressなどのCMS(コンテンツ管理システム)を導入することが一般的です。
CMSを使うことで、ブログやお知らせ、実績紹介などを、公開後も自社で追加・編集しやすくなります。

お問い合わせフォームの設定や、SEO・セキュリティ対策用プラグインの導入も、この段階で行われます。

テスト・公開

実装が終わったら、PC、スマホ、タブレットなど様々な端末で表示を確認し、フォームの送信テストやリンク切れチェック、誤字脱字の確認などを行います。問題がなければ、独自ドメインとサーバーの設定を整え、正式に公開です。

公開後の運用・改善

ホームページは、公開した瞬間がゴールではなくスタートです。
お知らせやブログを更新しながら、アクセス解析ツールで「どのページがよく読まれているか」「どんな検索キーワードから訪れているか」を確認し、内容の改善や導線の見直しを続けていきます。

少しの修正でも、積み重ねることで成果が変わっていくので、公開後の運用計画もあわせて考えておくと安心です。

自作か、制作会社か。どちらが向いている?

自作か、制作会社か。どちらが向いている?

最近はWixやSTUDIOのようなサービスが普及し、専門的な知識がなくても、それなりに見栄えのするホームページを作れるようになりました。その一方で、制作会社やフリーランスに依頼するケースも根強くあります。

自作の一番のメリットは、初期費用を抑えやすいことです。
自分たちで更新方法を覚えれば、簡単な文言変更や写真差し替えも、その都度業者に頼まずに対応できます。その反面、企画・デザイン・文章作成・SEOの基本設定など、すべてを社内でこなす必要があり、本業の時間を大きく削ってしまう可能性があります。

一方、制作会社やフリーランスに依頼する場合は、費用はかかりますが、目的に合わせた設計や、成果を見据えた導線づくり、SEOの土台づくりまで含めて相談できるのが大きなメリットです。自社では見落としていた視点から、「この業種なら、こういう見せ方の方が問い合わせにつながりやすい」といった提案が出てくることも少なくありません。

「とりあえず名刺代わりに1ページあれば良い」のか、
「しっかり問い合わせや採用に結びつくホームページが欲しい」のか。

どちらを重視するかによって、選ぶべき方法は変わってきます。

中小企業が陥りやすい失敗と、その予防策

中小企業が陥りやすい失敗と、その予防策

目的が曖昧なまま作り始めてしまう

「とりあえず会社のホームページが欲しい」「見た目がきれいなら大丈夫」。
こうした状態で制作を始めると、完成はするものの、誰のどんな悩みに応えるサイトなのかが分かりにくくなります。

制作に入る前に、「このサイトで何ができれば成功なのか」を一度立ち止まって言葉にしてみるだけでも、出来上がりは大きく変わります。

会社紹介だけで終わってしまう

沿革や理念、業務内容の説明はしっかり書いてあるのに、お客様の声や事例がなく、自社の強みや「選ばれる理由」が伝わってこないケースも多く見かけます。

読み手が知りたいのは、「この会社に頼んだら、自分の悩みは解決しそうかどうか」です。
抽象的な言葉だけでなく、実際にあった事例や数字を交えながら、「誰の、どんな悩みを解決してきたのか」を書いていくと、印象は大きく変わります。

公開後に更新が止まってしまう

もうひとつよくあるのが、公開した後に更新が止まってしまうパターンです。
お知らせが数年前で止まっていたり、「ブログ始めました」の次の記事がいつまで経っても増えなかったりすると、「今もちゃんと動いている会社なのかな?」と不安を与えてしまいます。

毎週更新する必要はありませんが、「少なくとも年に数回は事例やお知らせを出す」といった、現実的なペースを決めておくと無理なく続けやすくなります。

まとめ:ホームページ制作は「目的と設計」が9割

ここまで見てきたように、ホームページ制作は、デザインや技術の話に入る前に、目的と設計をしっかり固めることがとても大切です。

何のためにホームページを作るのか。
誰に見てほしいのか。
自社のどんな強みを伝えたいのか。

このあたりがクリアになっていれば、自作でも、制作会社に依頼する場合でも、判断に迷いにくくなりますし、結果的に“作って終わり”にならないホームページに近づきます。

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